
オーディションで3365人中
圧倒的“ヒロイン”だった原さん
さて。のぶの家に羽多子が心配して訪ねてくる。連れ戻そうとする羽多子にメイコは、仕事のあるのぶや蘭子と比べて、自分には何もなく、宙ぶらりんでふわふわしているように引け目を感じていたことを語る。
自分はみそっかすだと卑下するメイコに羽多子は、戦争のせいだと慰める。仕事はないし、嫁にいきたくても男性が戦争で少なくなって相手がいないと悲観するのぶ。健太郎(高橋文哉)への思いはどうなった? 相手にされていないと諦めたのだろうか。
「うち戦争のせいにするのはいやや。日本が負けたきってうちまで負けてしまうがはいやや。何かに挑戦してみそっかすの自分を変えたい。いっぺんでええき心が震えるようなことをしてみたいがよ」
くらにお金を返して、高知で働き、自分で旅費を作って東京に行くと言うメイコ。意外にもしっかりしたことを考えていたメイコに羽多子も打たれた。
メイコの夢は叶うのか。これまであまり出番のなかったメイコがにわかに動き出した。
メイコを演じる原菜乃華は、河合優実と同じく、ヒロインオーディションを受けていた。
オーディションは書類選考、ビデオオーディション、グループオーディション、最終カメラテストから成っていて、倉崎憲チーフプロデューサーは、最終オーディションで河合のことが印象に残ったと語っている。原のことはグループオーディション。
「グループオーディションにおける自己紹介の時、周りの人からどう言われますかという質問に『サムライです』と言ったんです。『ストイックだからかと思います』みたいな理由で。それが面白いなぁと思いました。
いわゆる朝ドラヒロイン、ザ・朝ドラヒロインみたいな明るくて天真爛漫なところは、原さんが3365人の中、圧倒的で、朝ドラにはひとりはこういう人がいてほしいという存在です。実際、現場も彼女がいると明るくなりますし、芝居も達者で、天真爛漫でみんなに愛されるようなメイコのキャラクターにぴったりでした」