「ぜんぶ自分のせいなのに…」SNSで誹謗中傷する人の“可哀想な頭の中”【社会学者が分析】写真はイメージです Photo:PIXTA

SNSでの悪質な誹謗中傷を苦にして自殺に至るケースが後を絶たない。ネットいじめ、サイバー・リンチの加害者の頭の中では、いったい何が起きているのか。私たちが思っているよりも、事態はずっと深刻なようだ。※本稿は、加藤諦三『人はどこで人生を間違えるのか』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。

自分の問題を他人のせいにする
「外化」こそが人生を狂わせる

 自分が感情的なのに、相手を感情的だと言うことがある。そう言って自分が感情的であることを認めたくない。自分にとって都合が悪いことがあると、そこを突かれて怒りに狂う。マインドレスな感情が爆発するのだ。

 外化(編集部注/自分の中にある問題を、外にある他人や状況の問題だと認識することで心を守ろうとすること)は、受け身の姿勢を取っている人がする行動である。この状態が自分が選んだことであると認識できれば、外化は止まる。外化を止めることが、自分に直面することだからだ。

 また、どうでも良いことで「大変なことになった」と大騒ぎをする人がいる。これは演技ではなく、その人は本当に「大変なことになっている」とパニックになっているのである。これは外化である。その人の心の中が「大変なことになっている」のだ。決して外の現実が大変なことになっているわけではない。

 自己憎悪は楽しむ能力を破壊する。自分を憎んでいる感情の外化についてもカレン・ホルナイ(編集部注/精神科医、精神分析家)は述べている。