「誰が言ったか」より「なぜ言ったか」を見る
投資の世界では、「あの人が言っていたから買う」という人が多すぎます。特にバフェットのようなカリスマ投資家が発言すると、それを“金言”のように受け取ってしまいがちです。
でも、大切なのは「なぜその発言をしたのか?」という視点です。誰もが、自分のポジションを有利にするために動いているのだとしたら、発言の意図も見抜く必要があります。
彼らが何を言ったかではなく、「どのタイミングで」「どのような立場で」言ったかを見てみましょう。そうすれば、発言の“裏”が見えてきます。
一流の投資家ほど、情報発信力を武器にする
バフェットのような超一流の投資家たちは、株を「売る」よりも前に、メディアや決算などを通じて“空気づくり”をしています。
つまり、「みんなが買いたくなる状況」を先につくってから、静かに売り抜ける。これがプロの常套手段です。
SNSでも、影響力のあるインフルエンサーや著名投資家が「この銘柄が熱い」と発言すると、急騰するケースがあります。しかし、その影響力こそが“武器”になっていることに、私たちはもっと敏感になるべきでしょう。
だからこそ、自分の「軸」を持とう
人の意見や流行に乗るのも一つの手ですが、最終的に損をしても誰も責任はとってくれません。だからこそ、自分の判断軸=投資スタンスを持つことが、最強のリスクヘッジになります。
たとえば、「自分は長期保有が基本」「業績と配当を重視する」「チャートの形が崩れたら売る」など、自分なりのルールを持っていれば、バフェットが何を言おうが、振り回されることはありません。
むしろ、「ふーん、それで?」と冷静に眺められるようになるのです。
情報は「使うもの」であって、「信じるもの」ではない
投資において、情報は「鵜呑みにするもの」ではなく、「活用するもの」です。
バフェットの発言や著名人の行動も、単なる“材料”のひとつに過ぎません。その材料をどう料理するかが、投資家の腕の見せどころです。
誰かの発言を“正解”と見なすのではなく、「自分の考えと照らして、どう判断するか?」を日々問い続ける姿勢こそが、長く相場を生き残る力になります。
結局、最後は「自分の目」で判断するしかない
市場はつねに動き、ニュースも次から次へと流れてきます。バフェットのような大物の発言ですら、次の四半期にはまったく逆の動きをしているかもしれません。
だからこそ、他人の言葉に振り回されず、自分の“目”と“頭”で考えることが重要です。
誰かの言葉を信じるより、「自分の判断を信じられる自分」になること。これが、投資家として一番大切なことだと私は思います。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。