AWDと同様の改良が施されているはずなのに、走りに違いが生じるのは少々不思議に感じた。開発関係者に聞くと、「重量とサスペンションとのマッチングというのはなかなか難しい問題があり、ホイール剛性の違いでも乗り心地が変わる」と教えてくれた。今回の場合は、同じ20インチでもエアロホイールのほうが剛性が高く、乗り心地が硬く感じられる傾向があるそうだ。

XD SPの4WDが見せる
走りのまとまりとスポーティなルックスは、なかなか惹かれる

 最後にMHEVの4WDに乗り換えた。乗り心地としてはざっくり1台目と2台目の中間のようなイメージで、ときおりやや硬さを感じるという印象だった。MHEVの強みは動力性能にあることをあらためて感じた。

 標準の3.3Lディーゼルも十分な性能を身につけているが、モーターが適宜アシストするMHEVは発進からリニアで力強く、全体的に上乗せされた加速フィールが味わえる。見た目も走りも付加価値を求めるユーザーの期待に応える仕様となっている。

 クルマ作りは奥深い。同じようにリファインしても乗り味の違いが出る。新しいことにチャレンジする難しさがうかがえたのだが、全体としてCX-60は登場時に比べると大幅に改良されたと断言できる。中でも新顔のXD SPの4WDが見せる走りのまとまりとスポーティなルックスは、なかなか惹かれるものがあった。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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