新グレードXD SPの走りは生き生き滑らか
仕様によって走り味に差が感じられる
XD SPは走り始めから印象がよかった。CX-60のトルコンレス8速ATは従来はつながりがスムーズでなく、とくに低速でギクシャクした。いかにもクラッチを機械が動かしている感触があった。今回乗ったXD SPは、走りのダイレクト感を損なうことなく、トルコンかと思うほど滑らかで、走り出しからスッとスムーズに動く。だからクルマが軽く感じられた。いずれもっといろいろな条件で試してみたい。
乗り心地も大きく変わっていた。初期型は、とくにリアの突き上げがひどかった。最新モデルはバネやダンパーを中心にサスペンションのセッティングを見直し、操縦安定性と乗り心地の向上を図っている。まだ多少の硬さは感じるものの、上下振動はだいぶ収まり、問題ないと思えるほどに進化している。
足回りは、リアのバネレートを大幅に下げ、スタビライザーを廃し、サブフレームのブッシュを柔らかくした点が主要リファインポイント。電動パワーステアリングやAWDなどの制御も最適化したという。静粛性を向上させるためにノイズや振動にも対策が施されている。
XD SPのAWDは出足が軽快なめらかで、ステアリング操舵力は軽く、乗り心地やNVHが向上した相乗効果で、走り全体が生き生き滑らかになっている。とても好印象だった。
こんなに変わるのなら従来車にも改良後と同じパーツを移植できないものかと思ったが、認証に関係するため残念ながらレトロフィットは不可能だそうだ。
最新のCX-60は完成度を増した、と感じたところでディーゼル2WDのXD L Packageに乗り換えた。走りの印象はかなり異なっていた。改良前のCX-60に近い雰囲気を感じたのである。突き上げがあり振動が伝わりやすく、AWDで味わえたフラットさは希薄だった。フロント荷重が50kg軽いおかげで回頭性は良好。だがなぜか電動パワーステアリングが重く、軽快感が薄れているように思えた。