私自身、偶然手に取った1冊の本が、人生の転機になりました。それは、書店で何気なく手に取った、一見地味な印象の本でした。

 でも、その本に書かれていた内容は、私の価値観を根底から覆すものでした。あのときの出合いがなければ、今の私はないと言っても過言ではありません。

 このシンプルな法則を続けることで、あなたの知的世界は大きく広がっていくはずです。偶然の出合いを、必然の成長に変えていく。それこそが、5%社員が実践している読書術の真髄なのです。

自分の課題を起点に
読書の幅を広げていく

 膨大な情報が溢れる中で、どのように知識を広げていけばいいのか。そんな疑問を抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

 そこで注目したのは5%社員が実践する「スノークリスタル型の読書術」です。この方法は、雪の結晶が中心から徐々に広がり、美しい形を作り上げていくように、読書においても1つの中心テーマから関連分野へと知識を拡散し、深化させていくことを目指しています。

 具体的には、自分の興味と課題を起点に、関連する様々な方向へと読書の幅を広げていくのです。

 たとえば、コミュニケーション能力の向上に興味がある場合、まずはプレゼン技術に特化した本から始めます。そこから、傾聴力や言語化能力など、様々な側面に焦点を当てた本へと読み進んでいくのです。

 また、トラブル対応の効率化という課題があれば、クリティカルシンキングの本で俯瞰的な視野を身につけ、さらにデザイン思考の本で仮説を立てて検証していくプロセスを学ぶといった感じです。

 この方法の最大の利点は、自分の興味や必要性に基づいて読書を進められること。

 関心のあるテーマを中心に、そこから自然と読みたい本、読むべき本が見えてくるのです。まるで雪の結晶が中心から美しい形を作り上げていくように、読書の世界でも知識が有機的につながり、広がっていくのを感じられるでしょう。