スノークリスタル型読書術を実践することで、読書は単なる情報収集ではなく、知識の体系を構築し、自己成長を促す活動へと変わります。自分の興味に沿って本を選べば、読書への意欲も高まるはず。知識を深め、視野を広げることで、ビジネスの場で直面する様々な課題にも、柔軟に対応できる力が身につくでしょう。

「著者」や「続編」を
追いかけるのもおすすめ

 スノークリスタル型読書術には、もう1つ重要なアプローチがあります。それが「著者」を起点とした読書です。ある著者の書いた本に感銘を受けたなら、その人の他の作品にも手を伸ばしてみる。そんな読書法も、知識を深め、視野を広げる上で非常に有効なのです。

 著者を追いかけることで、その人の思考の流れや知識の展開を追体験できます。1人の著者が異なるテーマで書いていても、根底にある考え方や表現スタイルには一貫性があるもの。だからこそ、親しみのある著者の新作は、よりスムーズに、深く理解できるのです。

書影『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 ディスカヴァー・トゥエンティワン)『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 そして、スノークリスタル型読書術のもう1つの鍵が「続編」です。親しんだ本の続きを読むことで、理解が再確認され、さらに深まります。前作の内容が頭に入っているから、続編はスムーズに読み進められる。そのプロセスで自然と前作の復習になり、記憶に定着しやすくなるのです。

 人間の記憶は、復習によって定着する性質があります。続編を繰り返し読むことで、理解が深まり、行動に反映しやすくなるのです。

 私が展開する「トップ5%シリーズ」も、この考えに基づいています。前作を踏まえて新作を読み進めることで、読者の納得感や理解を深め、実際の行動変化につなげることを目指しているのです。

 スノークリスタル型読書術は、決して難しいものではありません。自分の興味を起点に本を選び、著者や続編を追いかける。そんなシンプルな読書の積み重ねが、やがて大きな知識の広がりと深みを生むのです。