
金(ゴールド)は不穏な動きに反応する資産だと言われる。世界で起こる戦争、政情不安、為替の乱高下――。金はただの安全資産ではなく、地政学リスクを映す鏡である。個人投資家の天海源一郎氏が、金投資の勝敗を分ける“情報の掴み方”を伝授する。※本稿は、天海源一郎『株と金の大投資術』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
金への投資が持つ
最大の魅力とは?
常に世界のどこかに不穏な動きがあって、それを背景に金(ゴールド)の価格はゆっくりと上昇を続け、長期的には3万円に向かいます。金への投資は、長期的にあなたの資産をしっかりと下支えするでしょう。
金は、5000~6000年前から人々をその輝きで魅惑し、宝飾品や通貨などに用いられてきました。金の魅力を語る上で最大のポイントは、その「希少性」にあります。
金の国際的な調査機関であるWGC(World Gold Council)によると、これまでに産出された金の総量は約20万トンだそうです。これは、オリンピックの競技用プールで3杯ほど。かつては1杯分と言われていたので、増えています。ただ、少ないことに変わりはありません。
宝飾品としての金を知らない人はいないでしょうが、ほかにも金は電子部品に使われています。錆びにくく、電気を通しやすい上、加工しやすい性質も持つからです。代替として他の金属が活用できないか、世界中で研究が行われていますが、現状では金に取って代わるような金属は見つかっていません。