自由人にモヤモヤしてしまう。これって心が狭いの?

――たしかに、自由にふるまう人に対して、なんとなく腹が立つことってありますよね。

川野:自由に生きている人に対して、どこか恨めしい気持ちを抱いてしまうことは、誰にでもあるものです。

たとえば、最初は「かわいそうだな」と同情していた相手が、あるとき急に殻を破って自由にふるまいはじめると、今度はなぜか許せなくなる。そういう感情の揺れは、意外と多いんですよ。

――芸能ニュースでも、はじめのうちは同情的な報道だったのに、手のひらを返すように批判的な報道に変わることもありますね。

川野:そうですね。結局、他人の行動を許せるか許せないかの基準は、「自分にどれだけ自由に生きることを許してあげられているか」だったりします。

他人をどう見るかは、自分自身の状態に大きく影響されるというわけです。

もっと自分にやさしくなろう

――どうすれば嫉妬心や人を責める気持ちから解放されますか?

川野:『瞬間ストレスリセット』でいうと、「批判的になるのをやめる」という項目がその話です。

ここで大事なのは、他人に対してだけではなく、自分に対する批判もやめていくということです。

自己批判があると、それがそのまま他人への厳しさにもつながってしまいます。

だから、自分を責めるクセに気づいて、自分にやさしく接してあげることが大切なんです。

――なるほど。たしかに他人に批判的なのは、自分にやさしくないせいかもしれませんね。

川野:はい。だからこそ、「セルフコンパッション(自慈心)」が重要になってきます。

自慈心――つまり、自分に優しくする、癒してあげる行動を取ること。

その実践として、本書に書かれているようなセルフケアの方法が役立ちます。