また、とても優秀な上司の下につければ一緒に引き上げてもらえる可能性が高まるし、優秀な部下に恵まれた人は自ずとチームの成績が向上し、出世しやすくなるでしょう。
私が長年、人事の仕事をしていて思うのは、人はキャリアの中で絶対に一度や二度はスポットライトが当たるときがある、ということです。
リクルート時代の経験で言えば、首都圏の数字が厳しくなったとき、「これからは地方の時代だ」といって売上は大きくないが北海道や九州でユニークな取り組みをしていた人が東京に呼ばれてそのノウハウを伝授することになったり、本業が頭打ちになるとそれまで注目されていなかった研修事業がテコ入れされたり。
現在のように変化の激しい時代は、こうしたスポットライトが当たる場所も変わりやすいでしょう。
また、逆に若いときから活躍して昇進が早かった人が結局、課長止まりで終わったり、部長にはなったが過労で病んで退職したり、といったケースもありました。
何が言いたいかというと、自分の実力とは関係のない要因がたくさん絡むので、出世はあまり気にし過ぎず、一喜一憂しないほうがよい。
同期より先に出世できたら決して自分の実力がすべてとは思わず謙虚に、さらに自分を磨いていくべきであり、出世が遅れたとしても腐らず、より一層しっかり仕事に取り組んでいくことが大切です。
ただ、出世に惑わされないことは大切ですが、管理職への昇進を嫌がるのはよくありません。
転職市場に出たときに、「出世したこと」がその人に対する一種の「品質保証」となるからです。課長職になっておくと、勤務先企業からの第三者認証を得られたような形になります。