
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第79回(2025年7月17日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
のぶたちが慌てて
実家に戻ると…
「よさこい よさこい♪」
「よさこい節」の「よさこい」とは「夜さ来い」→「夜に来い」という意味だ。蘭子(河合優実)は夜、のぶ(今田美桜)の家に来た。咳をしはじめた時点で心配だったが、釜次(吉田鋼太郎)の体調が思わしくなく、蘭子は実家に戻るように、のぶとメイコ(原菜乃華)を迎えに来たのだ。
のぶたちが血相を変えて実家に戻ると(のぶは昼に来た)、釜次の布団はもぬけの殻。外で仕事をしていた。
ピンピンしていると元気そうに振る舞うが、肺のほうがもうだいぶ弱っているのだと羽多子(江口のりこ)はうなだれる。
「ごめんで そんなに悪うなるまで気づかんで」
羽多子の台詞から、釜次は実は相当悪いことがわかる。寛(竹野内豊)亡きあと、御免与町の医療環境はよくなかったとすれば残念だ。
肺の病気は長いこと石を彫っていたから、たくさん粉を吸って肺に負担がかかったのかも(あくまで想像です)。