日頃から部下の様子に目を配る~アイコンタクトは大切

 部下の様子に目を配ることは、簡単そうで意外と難しいですし、部下をたくさん抱えている管理職の方もいらっしゃるでしょう。ここでお勧めなのが、アイコンタクトをしながらのあいさつ+一言です。

 職場のあいさつは非常に大切です。特に、相手の目を見てあいさつすることが重要です。この時にしっかり相手を観察できれば、元気がないとか、顔色が悪いとか、服装が乱れているとか、声が小さいとか、いつもと違うことに気づくことができます。

 そして、一言「今日もよろしく」とか「最近元気ないんじゃない」などと一言添えることで、その反応から相手の状態をさらに知ることができます。この時に「あれ?いつもと何か違うな」と思ったら、少し丁寧に接してあげるとか、場合によっては会議室に呼んで話を聞くとか、何かしら対応できることもあるかもしれません。ご自身が忙しかったとしても、誰かにフォローをお願いすることもできるかもしれません。

 朝は忙しいでしょうが、あいさつはコミュニケーションの起点です。ぜひ毎朝のスクリーニングだと思って意識してやっていただきたいです。

「指摘・叱るは個別に」が鉄則

 今回のケースでは、みんなの前でBさんのミスを指摘しています。職場の文化にもよると思いますが、基本的には「褒める場合には人前で(嫌いな人もいますが)、叱るときには個別に!」が鉄則です。

 そして、叱る場合には、事実を具体的に指摘し、どうすればよかったのか修正点を伝え、最後に相手への期待や修正できた場合のメリットなどを伝えてあげることが必要です。

 最近の管理職の中には「叱るとパワハラに抵触するのでは?」と、怖がって叱れない人も増えているようです。しかし管理職としての職務をまっとうするためには、部下の育成は欠かせません。その際には、間違っていることは間違っていると指摘し、どうしたら間違いが起きないのかを教えたり考えさせたりしなければなりません。また、叱ることは部下への期待を伝えるチャンスにもなるので、そこで信頼関係を構築することもできます。

 叱らないことで、部下の成長の機会を逃すことにもなりますし、他の部下からも部下の指導ができない上司だというレッテルを貼られてしまう可能性もあります。

 叱ることは怖いことではありません。部下の成長のための重要なコミュニケーションの一環です。叱るためには、多少の勇気と準備(叱るネタをロジカルに示し、話す)が必要ですが、誠意をもって対峙(たいじ)すれば相手もわかってくれます。