求められているのは、
「自由にレバレッジをかけられる人」

 古い価値観や常識に縛られない、あたらしい働き方が今、次々に出てきています。これまでにない大きな魅力を持った働き方がたくさんありました。では、そうしたあたらしい働き方を手に入れるためには、どんなことが必要になるのでしょうか。

 まず、ひとつ間違いなく言えることは、あたらしい働き方を提供する会社で仕事を得るためには、極めてハイレベルな競争を勝ち抜かなければいけないということです。

採用した信頼できる優秀な人材に、自由に仕事を任せることで成果を上げ、成長しているのが、あたらしい働き方の会社です。能力の高い社員を集めれば勝てる、というのが、これらの会社の発想なのです。だから、それ以外の人は入れない。

 かつても競争率の高い会社はありました。人気ランキングの上位の会社もそうでしょう。しかし、それとはちょっと違う競争率の高さだと私は思っています。ただ優秀なだけではないのです。入社してから“大人”として扱われることも、そのひとつです。

レベルの高い社員しか取らないという強い意志がなければ、あたらしい働き方の継続は難しいということなのです。“大人”を採用しないといけないのです。

 だからこそ面接も、通り一遍、2~3回するのではありません。7回も8回もする会社がある。配属予定の部署全員に会う会社がある。社長が徹底的に面接にこだわっている会社もある。面接した全員がOKしないとパスできない会社もある。

 能力も人間性も求められるから、面接テクニックなどの付け焼き刃ではどうにもならないのです。逆にいえば、面接のテクニックで受かってしまう会社にはあたらしい働き方はない、といえるかもしれません。

 ただし、誰もがこうしたあたらしい働き方に出会うことが幸せなのかというと、そうではない、とも私は感じました。向いている人には、たしかに向いている。しかし、向いていない人には、徹底的に向いていないとも思えるからです。

 では、過去のエリート的な優秀さではない、こうしたあたらしい働き方を得るために必要なスキルとは何なのか。

 これを一言で言うなら、「自由にレバレッジをかけられる人」だと私は感じました。自由というものを、どう解釈するか。2つに分かれるはずです。

 自由だから仕事をしなくてもいい、怠けてもいい、ラクができていい、労働時間も自由だから、さっさと帰って何もしなくていいや、と解釈してしまうという人か。一方で、自由からより大きな成果を得よう、能力を最大限発揮できる場にしよう、という人か。

 端的に言えば後者、自由にレバレッジをかけられる人こそ、あたらしい働き方にふさわしい人。では、そのときに必要となる能力とはどういうものなのか。