JAL再建にも通じる再生プラン
色褪せず読み継がれるサービスの本質
従業員の意識改革と小さな赤い本……と聞いて、日本航空(JAL)再建のキーワードになった「JALフィロソフィ」と「アメーバ経営」を思い浮かべた方も多いはずです。前者はJALのサービスや商品に携わる人たち全員が持つべき意識・価値観・考え方を簡潔にまとめた手帳で、後者は3万2000人の全従業員が自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現するための経営手法です。「社員の意識が変わることが組織の活性化につながっていく」と考えたJALの稲盛和夫会長(当時)は、これらを導入することでスピード再生を果たしました。
SASとJAL。両社の再生プランは、30年の間隙をまったく感じさせない共通項に満ちているといっても過言ではありません。見方を変えれば、本書の内容が今に至ってもなお古びていないことを示しています。この6月には第53刷の重版がかかり、累計発行部数は17万4500部に達しました。1990年の第1刷発行から、じつに20年以上にわたって読み継がれているのです。
次回は6月27日更新予定です。
◇今回の書籍 20/100冊目
『真実の瞬間 SASのサービス戦略はなぜ成功したか』
顧客と出会う最初の15秒で、最大満足を提供せよ!失速寸前のスカンジナビア航空の業績を急浮上させた男が語る斬新な経営哲学。
ヤン・カールソン 著
堤 猶二 訳
定価(税込)1,325円
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