日本総研では2013年1~3月期の2次QE(GDP推計速報値)を踏まえて、日本経済見通しを改定した。一言で言えば、13年度は内需が景気を押し上げて高成長となるものの、14年度はその押し上げ要因が剥落し、反動減でゼロ成長に落ち込むと予想する(図表1)。

景気押し上げ材料が
集中する2013年度

しもだ・ゆうすけ
日本総合研究所調査部マクロ経済研究センター研究員。2005年東京工業大学大学院修了、同年株式会社三井住友銀行入行。06年04月より社団法人日本経済研究センターへ出向し、内外経済予測に従事。08年より現職。研究・専門分野は内外マクロ経済。注力テーマは日本経済。

 5月半ばを境に、日本経済に対する楽観ムードは随分と薄れたようだ。株価や為替相場に調整色が強まったため、アベノミクス効果が早々と息切れしてしまったとの見方も出始めている。

 もっとも、足許の市場の混乱をもって、わが国景気が変調をきたしたと捉える必要はない。これまで、あまりにも急ピッチで進行した株高・円安に対して、一時的なスピード調整が生じたにすぎない。

 今後のわが国景気を展望すると、基本的には高めの成長が続くと予想される。この原動力として、以下の3点が指摘できる。

第1に、輸出の拡大である。中国向けや欧州向けは現地での景気低迷が続いているため、あまり大きな期待はできないものの、景気回復の足取りが固まってきた米国向けについては、今後増加傾向がはっきりしてくるだろう。