総予測2025#76Photo by Reiji Murai

2025年の世界半導体市場は2年連続で2ケタ成長が見込まれる。生成AI(人工知能)市場の拡大で米エヌビディアのGPU(画像処理半導体)の需要拡大は続く。さらに、国内では政府が10兆円の公的支援を打ち出したことでバブルは膨らむ。特集『総予測2025』の本稿で詳細を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

エヌビディアAI半導体に食い込む
サプライチェーン企業に恩恵

 2025年も米半導体大手エヌビディアの快進撃は続く。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトら米巨大IT企業のAI(人工知能)半導体への投資意欲は衰えず、データセンター市場で9割超のシェアを占めるエヌビディアの画像処理半導体(GPU)の需要は一段と強まるだろう。25年に出荷が本格化する新製品「ブラックウェル(B200)」はすでに争奪戦が始まっている。

 エヌビディアの新製品は全量、台湾積体電路製造(TSMC)が生産を受託。GPUに必須の広帯域メモリー(HBM)は、韓国SKハイニックスを筆頭に、韓国サムスン電子、米マイクロン・テクノロジーの3社の供給体制が確立しつつある。

 このサプライチェーンに食い込んでいるのが日本の半導体製造装置や材料のメーカーだ。特にAI半導体は、半導体の回路を微細化する前工程よりも、半導体チップをパッケージングする後工程の装置や材料の出荷が目立っている。

 前工程装置が主力の東京エレクトロンでも、後工程のボンディング装置の出荷が拡大。後工程のグラインダー装置を手掛けるディスコと東京精密も出荷を伸ばしており、アドバンテストの検査装置の需要も急増中だ。レゾナック・ホールディングスは後工程に使う絶縁材と熱伝導材の増産に乗り出した。

半導体市場はバブルの様相を強めている。次ページで、その詳細を明らかにする。