大舞台での経験も含めて、北中米大会での苦戦が予想される初出場国は現時点で「4」を数えている。出場枠が「4.5」から「8.5」に増えたアジア大陸でウズベキスタンとヨルダンが、同じく「5」から「9.5」に増えたアフリカ大陸ではカーボベルデが歓喜の雄叫びをあげた。
W杯史上最も「小さな国」
78歳の監督率いるキュラソーが初出場
そのなかで、ワールドカップの出場国数が増加した後押しを最も受けた国をあげるとすれば、北中米カリブ海予選のグループBを首位で通過し、初出場を決めたキュラソーとなるだろう。
カリブ海に浮かぶオランダ領の島国であるキュラソーの面積は444平方km。日本の種子島とほぼ同じ面積で、人口約15万人は2018年のロシア大会に出場したアイスランドの約33万人を大きく下回り、ワールドカップ史上で最も人口が少なく、なおかつ国土面積も小さな国となった。
北中米カリブ海の出場枠も、前回の「3.5」から「3プラス3」に増えている。カタール大会に出場したアメリカ、カナダ、メキシコがワールドカップ開催国として予選を免除され、他国にチャンスが生まれたなかで、キュラソーはグループBで出場経験のあるジャマイカとのデッドヒートを制した。
イギリスの「BBC」によれば、キュラソーの選手のうち22人はオランダの出身。同じくオランダ出身で同国代表も率いたディック・アドフォカート監督は現在78歳で、現状では北中米大会における最年長指揮官となる。一連の状況を踏まえて、スペイン紙の「マルカ」はキュラソーの初出場をこう報じた。
「サッカー史上で前例のない快挙と言っていいだろう」
北中米カリブ海予選のグループCでは、ハイチがホンジュラスやカタール大会で日本に競り勝ったコスタリカを抑えて1位で突破した。カリブ海のイスパニョーラ島をドミニカ共和国と共有するハイチのワールドカップ出場は、1974年の西ドイツ大会以来、実に13大会ぶり2度目となる。







