ボストン・コンサルティング・グループがアパレル大手TSIに助言したリストラは、過去に比べて割増退職金が大幅に減り、退職を拒めばキャリアと関係のない不利益な異動を迫る“退職強要”が横行した。長期連載『コンサル大解剖』内の特集『BCG泥沼訴訟 丸投げリストラの全内幕』第5回では、コストパフォーマンス重視のリストラが裏目に出た二つの根本要因を動画で解説する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

リストラ訴訟がコンサルに波及する異例の展開
コスパ重視のリストラが逆効果になる理由とは

――ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)泥沼訴訟の概要を教えてください。

 世界屈指のコンサルティング会社であるBCGが、社員数千人を抱えるアパレル大手TSIホールディングスに対して経営助言をしていました。

 その中の一つに、リストラに関する提案があった。これを巡って、助言を受けたTSI法務部のナンバー2の人物が、BCGとTSIを提訴したという事件です。

――この動画を見るとどんなことが分かりますか。

 リストラはどの会社でも起こり得ます。では、そのとき何に気を付けるべきか。経営者や実務で検討する立場の方も含めて、「これをやったらまずい」という線引きが分かりますし、逆に「ここさえ押さえれば大丈夫」という実務上の勘所も見えてきます。

 一線を踏み外すと、訴訟に発展したり、法的リスクが一気に高まったりする。しかも、BCGのような世界屈指のコンサルティング会社が助言しているケースでも起こり得るわけです。

 だからこそ、仮に同様の助言が出てきても、「それはさすがにまずいのではないか」と自分たちの頭で見極められるようになります。さらに、リストラの局面で「誰の言葉をどう受け止めるべきか」といった点まで含めて学べる内容です。

――コンサルが助言したリストラが訴訟に発展し、コンサル自身が訴えられることはあるのでしょうか。

 リストラに関する訴訟で、助言したコンサル会社まで一緒に訴えられるというのは、少なくとも私はあまり聞いたことがありません。かなり珍しいケースだと思います。

――なぜTSIはリストラをBCGに依頼したのでしょうか。

 まず、日本で「リストラをやろう」となると……

動画のフルバージョンでは、BCGが助言した「コスパ重視のリストラ」がなぜ裏目に出て、結果的にコスト増と法的リスクを招いたのかを、アパレル大手TSIの事例を基に掘り下げます。さらに、TSIで“退職強要”が横行した2つの根本要因を、経営判断と現場運用の両面から整理し、リストラを断行する際に踏み外してはいけない落とし穴と注意ポイントと併せて解説します。
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