金融インサイド写真提供:リバネス

最先端科学の出前実験教室を祖業とし「知識プラットフォーム」を展開するリバネスが、みずほフィナンシャルグループ(FG)の子会社と共同出資で新会社を設立した。リバネスの丸幸弘・代表グループCEO(最高経営責任者)は、この新会社を「起爆剤」として地方銀行が抱える中堅企業の世代交代や新事業創出の課題を解決し、200兆円規模の「リバネス経済圏」構築を目指す。長期連載『金融インサイド』の本稿で、壮大な構想の全貌を明らかにする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 高野 豪)

起業家に求める「かわいがられ力」
否定されても折れない情熱の純度

――これまで数多くのベンチャー企業の立ち上げに携わってきたかと思いますが、どのような起業家を支援したいのでしょうか。判断軸はありますか。

 自分ではできないことを語ってくれる人です。「よく当たりくじ引きますね」と言われるんですが、そうではありません。外れそうなやつを当たりにしているから跳ねるんです。

 僕はアントレプレナー(起業家)を支援したい。幾らもうかるかは金融の視点ですが、僕はもうかるではなくて、この起業家の思いが本当に世の中に出るか、最後まで出すつもりがあるかどうかしか見てません。

 ユーグレナの出雲(充・社長)には、かつて僕が「ミドリムシ一本足打法は危険だ。誹謗中傷が起きたら会社がつぶれかねない。だから藻類の総合デパート的なビジネスモデルにしたらどうか」と話したんです。

 そしたら、出雲は「リスクは重々承知している。でもユーグレナがいい。僕はユーグレナを愛しているので」と答えた。「分かった、じゃあやろう」。これです。

 僕が適切な、ある意味コンサルタントのような助言をしたときに、ちゃんと否定して情熱を持てるかどうか。

 自分が想像できないアイデアやこだわりを持っていて、それに対して僕が正論を言ったときに「違うんですよ、丸さん。それは嫌なんです」と、感情論を含めて言える人がいいです。

――そういう人はちゃんと支援したい。

 したいとは思いません(笑)。仕方ないな、サポートしなきゃなと思います。つまり、起業家で一番重要なのは「かわいがられ力」です。

次ページでは、2025年にみずほFGの100%出資子会社であるみずほイノベーション・フロンティアと立ち上げた「ネストブルー」が、日本の地域経済をどう変えるのか、その核心に迫る。あえてメガバンクと組んだ背景には、地銀のネットワークに眠る「中堅企業の代替わり」という巨大なチャンスと、それを見過ごせない丸氏の強い危機感があった。