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高額報酬が目立つ社外取締役の世界で、下位層にはどんな顔触れが並ぶのか――。ダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員報酬データを基に、上場企業の社外取「全10821人」の推計報酬額を独自試算した。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#11では、社外取締役・報酬ランキングの後編として、下位5500人の実名、兼務社数、推計報酬額の合計を公開する。キーエンス、エービーシー・マート、ワークマン、フジ・メディア・ホールディングスなど、意外な有名企業の社外取も登場する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
時価総額18兆円超のキーエンスも登場
報酬下位に並ぶ意外な有名企業
社外取締役の報酬には、大きな格差がある。
本特集の#9『社外取締役・報酬ランキング【上位5000人】1位は9219万円!トヨタ自動車、三井住友FG、東京海上…「全10821人」最新待遇序列』では、「推計報酬額の合計」が多い社外取の上位5000人を紹介した。
上位ランキングでは、ソフトバンクグループ、日立製作所、三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、東京海上ホールディングス、大林組、オリックス、武田薬品工業、富士通など、日本を代表する巨大企業の社外取がずらりと並んだ。
トップの推計報酬額は9219万円。5000万円以上の高額報酬を得る社外取も40人を超えた。複数社を兼務し、年間数千万円を得る“売れっ子社外取”の存在が浮き彫りになった。
では、報酬ランキングの下位に目を移すと、どんな顔触れが並ぶのか。
今回の後編では、5218位以下の5587人を公開する。下位ランキングに入った社外取の「推計報酬額の合計」は、592万円以下。中央値は366.7万円だった。500万円以下が4763人と全体の85%超を占め、400万円以下も3400人に上る。
ただし、下位ランキングは決して「無名企業リスト」ではない。むしろ、上位ランキングとは違った意味で、読者になじみのある企業名が数多く登場する。
例えば、時価総額18兆円超のキーエンスだ(5月21日終値ベース)。同社の社外取は推計543万円で下位ランキングに入った。上位ランキング1位の9219万円と比べると、金額の差は極めて大きい。巨大企業だからといって、社外取報酬が一律に高いわけではないことが分かる。
生活に身近な企業も多い。靴販売大手のエービーシー・マート、作業服専門店から一般消費者向けに急成長したワークマン、コーヒーショップのドトール・日レスホールディングス、コンビニのミニストップ、外食のサイゼリヤ、ドラッグストアのコスモス薬品やサンドラッグなどである。
メディア・エンタメ関連では、フジ・メディア・ホールディングス、テレビ朝日ホールディングス、東映アニメーション、東映などの社外取も登場する。
地方銀行の社外取も目立つ。めぶきフィナンシャルグループ、八十二長野銀行、いよぎんホールディングス、ほくほくフィナンシャルグループ、西日本フィナンシャルホールディングス、第四北越フィナンシャルグループ、ちゅうぎんフィナンシャルグループ、百五銀行、京葉銀行、名古屋銀行、阿波銀行、清水銀行、岩手銀行、筑波銀行、佐賀銀行、秋田銀行、東北銀行、宮崎太陽銀行、福井銀行など、地域金融を支える地銀・地銀グループ45社、157人の社外取が下位ランキングに入った。
地銀は地域経済の要である一方、人口減少や貸出先の縮小、低PBR(株価純資産倍率)、再編圧力という難題を抱える。そうした地銀の社外取に、どのような人物が就き、どれほどの報酬を得ているのか。今回のランキングは、地域金融のガバナンスを確認する材料にもなる。
タレント社外取や著名人の名前もある。俳優・モデルの菊川怜氏、元フェンシング選手の太田雄貴氏、弁護士・コメンテーターの山口真由氏らである。エービーシー・マートでは、元タレントの榎本加奈子氏とモデルの畑野ひろ子氏が社外取に就任している(次ページのランキングでは、有価証券報告書の記載に基づき、それぞれ本名の佐々木加奈子氏、鈴木浩子氏で表記)。
業種別で見ると、情報・通信、サービス、小売業、卸売業の4業種が過半数を占める。上位ランキングは、巨大企業のボードを渡り歩く“高額報酬社外取”の実態を映す。一方、下位ランキングは、生活密着企業、中堅上場企業、小型株、地銀、メディア企業の報酬水準を浮き彫りにする。
もちろん社外取の報酬は会社の規模や方針によって異なるため、「低いから重要でない」という単純な話ではない。株主や投資家が最も重視すべきは、彼らが取締役会で実際に何を発言し、企業価値向上にどう貢献しているかという実質だ。しかし、その貢献度を評価する前提として、「待遇」という定量データが重要な判断材料になることもまた事実である。
それでは、次ページで5218位以下の報酬ランキングを見ていこう。調べたい社名や氏名を入力すれば、検索が可能だ。あなたの会社や投資先、取引先の社外取が幾ら受け取っているのか、ぜひ確認してほしい。







