社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴#9Photo:123RF

引く手あまたの社外取締役。その厚遇ぶりが最も分かりやすく表れるのが報酬額だ。ダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員報酬データを基に、上場企業の社外取「全10821人」の推計報酬額を独自試算した。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#9では、社外取締役・報酬ランキングの前編として、上位5000人の実名、兼務社数、推計報酬額の合計を大公開する。トップの金額は9219万円。5000万円以上の高額報酬を得る社外取も40人を超えた。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

トップ10の平均報酬は7426万円!
3~4社兼務で高額報酬を得る「売れっ子」は?

 コーポレートガバナンス(企業統治)改革の進展を背景に、社外取締役の需要は高まり続けている。東証プライム上場企業において、独立社外取締役が取締役会の3分の1以上を占めるのは、もはや当たり前の光景だ。女性、外国人、元経営者、官僚OB、コンサルティング企業出身者、弁護士、公認会計士、大学教授らへの引き合いは強い。

 その責任も重くなっている。不祥事対応、トップ人事、役員報酬の妥当性評価、M&A、同意なき買収への対応、資本効率の改善、人的資本投資――。社外取は、単なる「ご意見番」では済まなくなった。取締役会で経営陣に物を言い、企業価値向上に向けて監督機能を発揮することが求められている。

 責任が重くなれば、報酬水準も上がる。主要企業の社外取報酬額は上昇基調にあり、外資系コンサル会社WTW(ウイリス・タワーズワトソン)の調査では、2024年度の主要企業の社外取報酬額(中央値)は5年前比25%増の1790万円で過去最高になった。社外取に株式報酬を付与し、株主と目線をそろえようとする企業も増えている。

 だが、株主にとって気掛かりなのは、その報酬に見合う働きをしているかどうかだ。現行制度では、1億円以上を受け取る役員でなければ報酬額の個別開示は義務付けられていない。社外取が実際にどれほどの報酬を得ているのかは見えにくい。

 そこでダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員区分ごとの報酬等の総額を基に、社外取一人一人の推計報酬額を算出した。複数社を兼務する場合は、兼務先の推計報酬額を全て合算し、実際に受け取っている報酬額に近い数字を導き出した。

 今年の報酬ランキングを見ると、上位にはソフトバンクグループ、日立製作所、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、東京海上ホールディングス(HD)、大林組、オリックス、武田薬品工業、富士通、アステラス製薬、花王、リクルートホールディングス(HD)、AGC、ソニーグループ、住友商事など、日本を代表する巨大企業の社外取がずらりと並ぶ。

 トップ10の推計報酬額の平均は7426万円。兼務社数の平均は3.2社だった。上位10人のうち9人が3社以上を兼務しており、社外取市場の「売れっ子」が、複数の大企業のボードを渡り歩く構図が鮮明になっている。

 上位30人に広げても、平均推計報酬額は6389万円、平均兼務社数は3.0社に上る。中には、4社、5社の社外取を兼ねる者もいる。まさに「社外取バブル」の高額報酬ぶりを示す結果となった。

 それでは、今年最も高額な報酬を得ていた社外取は誰なのか。次ページで、報酬上位の顔触れを見ていこう。