Photo by Yasuo Katatae
関東の地銀再編が、大きく動き出した。6月24日、投資ファンドのありあけキャピタルが東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)株の5.24%を取得したことが判明。東京都の公的資金を完済し、地方銀行関係者の間で次なる再編候補の大本命と目されてきた東京きらぼしFGに、再編の「仕掛け人」が現れたのだ。長期連載『金融インサイド』内の特集『地銀再編サバイバル 売れ残り回避の最終戦』の#17では、東京きらぼしFGに買い手候補が群がる理由と、首都圏進出に野心を燃やす銀行グループの顔触れを詳報する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴、高野 豪)
再編の芽「きらぼし」争奪戦勃発!
買い手候補が群がる理由は?
首都圏開拓の足掛かりとして、全国の地方銀行が熱視線を送る存在がある。東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)だ。そこへ、地銀再編の「仕掛け人」まで現れた。
6月24日、地銀株を中心に投資するファンド、ありあけキャピタルが関東財務局に大量保有報告書を提出し、東京きらぼしFG株を5.24%保有していることが明らかになった。
きっかけは、東京きらぼしFGが5月に実施した一連の資本政策だ。東京都が保有していた400億円分の第二種優先株式を全て取得・消却した。さらに三井住友信託銀行が保有していた150億円分の第1回第一種優先株式について取得請求権が行使され、普通株式に転換。同株式は一般投資家などに売り出された。
市場に流通する株式が増えたことで、ありあけキャピタルは5月19日以降、東京きらぼしFG株を一気に買い進めた。
この大量保有をどう読むべきか。ありあけキャピタルは回答を控えたが、東京きらぼしFGに対する各行の関心の高さを踏まえれば、再編の文脈で捉えるのが自然だ。
ありあけキャピタルといえば、千葉興業銀行株を買い増した後、保有株を千葉銀行に売却し、両行の経営統合への道筋を付けた経緯がある。地銀再編の仕掛け人といえる存在だ。
そして本特集#8で触れた通り、東京きらぼしFGは地銀再編の芽として注目されている。「関東圏で関心を持たない大型地銀は存在しない」(地銀関係者)とさえいわれるほどだ。
関心を寄せるのは近隣行だけではない。遠隔地で再編の野心が強い地銀グループの中にも、首都圏進出を狙うプレーヤーは少なくない。東京に強固な顧客基盤を持つ東京きらぼしFGには、数多くの買い手候補が存在する。
そこにありあけキャピタルが株主として介在すれば、東京きらぼしFGを狙う地銀にとっても接触の大義名分が生まれる。統合協議を始める格好のフックになり得るわけだ。
次ページでは、東京きらぼしFGが再編の発火点といえる理由を検証するとともに、首都圏進出に野心を燃やす買い手候補と、その野心度を明らかにする。







