金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#8Photo:PIXTA

インバウンド需要の増加により、大手エアラインを中心に好業績が続く空運業界。一方、国内線を主力とするエアラインでは収益性が低下し、中東情勢の緊迫化に伴う燃料費高騰も追い打ちをかけている。そんな中、新たなコスト増の要因として各社の前に立ちはだかるのが金利の上昇だ。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債の借り換え金利が1%上昇した場合、足元の利益をどれだけ押し下げるかを独自試算した「金利上昇衝撃度」で空運業界各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部 大川哲拓)

燃料高が直撃する空運業界
金利上昇が次のコスト要因に

 インバウンド(訪日外国人客)の増加による旺盛な国際線の旅客需要を追い風に、2025年度の通期決算では二大エアラインが好業績に沸いた。

 ANAホールディングス(HD)の営業利益は前期比10.6%増の2174億円、日本航空(JAL)のEBIT(利払い前・税引き前利益)は同26.4%増の2180億円を記録。そろって過去最高益を更新した。

 その裏で、国内線を主戦場とする空運会社は収益性の低下に苦しんでいる。例えば羽田空港や神戸空港を拠点とするスカイマークは事業収益こそ前期比1.4%増の1104億円と過去最高を記録したものの、コスト高を吸収し切れず、営業利益は同1.4%減の18億円にとどまった。営業利益率は1.6%で、コロナ禍前の19年3月期の8.1%から大幅に落ち込んでいる。

 二極化が進む空運業界だが、各社を悩ませているのが中東情勢の悪化によるジェット燃料費の高騰だ。ANAHDは中東情勢の影響で、27年3月期の営業利益を約600億円押し下げると見込む。実際に、今期の第1四半期決算では、売上高は過去最高の6727億円(前年同期比22.6%増)となった一方、燃油高で営業費用が膨らみ、営業利益は207億円(同43.5%減)と大幅に落ち込んだ。

 燃料費高騰に加え、金利上昇が今後の懸念材料となる。日本銀行によるマイナス金利解除や追加利上げに伴い、日本経済は長い「ゼロ金利」の時代を終えて、金利のある世界が定着してきた。

 空運業界は、機材の調達などで多額の有利子負債を抱える企業が多い。有利子負債が多くても返済・償還が数年先なら、当面の影響は限定的だ。逆に負債総額がそれほど大きくなくても、近い将来にその多くが返済・償還を控えていれば、借り換え金利上昇による打撃は大きくなり得る。

 そこで今回、ダイヤモンド編集部は、決算期末時点で2年以内に返済・償還を予定する有利子負債を対象に、借り換え時の金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益に占める割合を算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。

 果たして、どこの空運会社が金利上昇によって大きな打撃を受けるのだろうか。次ページでは、空運業界の企業を対象としたランキングを公開。金利上昇が各社の利益にどのくらいの影響を与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。