人が動かない4つの理由

 改革を進めていく過程で、反発を受けることもありました。
 そのときの経験から、何かを変えようとするとき、人が動いてくれない理由には、大きく分けて4つあることを学びました。

 1つめは「知らない」という理由。
 そもそも、なぜ改革が必要なのか知らないのです。
 私は別の学校にいて外から本校を見ていましたが、内部にいると自分のことはわからないものです。
 そこで、一緒に外に出かけて、危機感や改革の必要性を共有していきました。

 2つめは「怖い」という理由。
 子どもの安全を守る使命のある学校は、保守的になりがちです。失敗して責任を取るのが怖いという気持ちはどうしても起こります。
 しかし私は、「やるリスク」より「やらないリスク」のほうがずっと大きいと感じています。
 子どもの羽ばたく社会はどんどん変化していきますから。
 そこで、何を怖いと思っているのかを聞いて、その「怖い絵」を一緒に見て解決方法を考えました。

 3つめは「面倒くさい」という理由。
 改革とは、いままでと違うことをするということ。その手間に目がいくと、面倒くさくなってしまいます。そんなとき、人は「プロセス」を見ています。
 そこで私は、「もし、うまくいったら生徒はどうかな」と、成果に目が行くような声がけで、ゴールイメージを共有するようにしました。

 最後は「その人のことが嫌い」という理由。
 嫌いな人の言うことは、内容がどうあれ、反対したいのが人間の心理。私はこれで大失敗しました。
 他校からやってきた若い教員という立場を忘れ、それまでの事情もわかっていないのに生意気な発言をしてしまったのです。
 人間関係の修復には、多大な時間がかかります。
 改革においては、決して過去を否定してはいけないということを学びました。