ノートで本を自分の血肉にする
なぜこの方法が簡単なのかというと、使うのがノート1冊だけだからです。どこにでも売っているノートをフル活用して、読みたい本を探したり、読み進めたり、読んで発見したことを書き留めたり、蔵書を読み返したりといった読書生活のすべてをマネジメントしていきます。複雑なことは一切ありません。簡単に言えば、
・自分がどんな本を買って読み
・本のどの部分に注目し
・何を思ったか
をノートに残していく。そして、それを保存し、折にふれて読み返すという仕組みをつくっておくだけです。シンプルだけれど、ほとんどの人がやっていない工夫といえるでしょう。
これを続けることによって、「本の内容が思い出せない」という人は確実に記憶に残るようになり、「あのくだりをもう一度読み返したい」と困っている人は、簡単に本を参照できるようになる。ノートを読書のサポートツールにすることで、読んだ本の情報を、確実なかたちであなたの思考回路の一部にすることができるのです。
ときには多読や速読も有効でしょう。しかし、そういった高度な読み方に挫折してきた方には、1冊ごとにきちんと向き合う、ノートを使った読書術をぜひおすすめします。
無理せず、現状の読書ペースのままで、読み方だけでなく買い方、情報活用まで含めたトータルで、より濃密な「本との付き合い方」を実現してください。
必要な物は、どこでも売っているノートとペンだけです。これだけで、あなたの読書生活は、劇的に有意義なものになることでしょう。(第2回へ続く)
※具体的なノートの使い方は、第2回以降で解説していきます。
新刊のお知らせ
奥野宣之・著/本体1400円+税/ダイヤモンド社
累計50万部突破!全面改訂した「100円ノート読書術」
誰でも今すぐ使える新手法を大幅増補!
全面改訂版のため、以前読まれた方でも十分楽しめる内容になっています。
なぜ、読んだのに覚えていないのか?多読・速読より、1冊ずつきちんと頭に残す読書術。読書の目的は、読んだ内容をきちんと自分の血や肉にしていくこと。本書は情報の摂取で終わらず、「読書体験」にするための「読書の技術」を多数紹介します。旧版を全面的に書き直し、特に「書き方」と「読み返し方」の新技術を大幅増補。その他、誰でも実践できる「アナログ検索」の技術を追加し、本文写真、巻頭口絵を増やして、よりビジュアル的に楽しめる作りに変えました。読書体験を充実させるアイデア、ノートづくりに役立つ文房具も増やした、読書術の決定版です。
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1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを学んだあと、出版社、新聞社の記者を経て『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。独自の情報整理術や知的生産術がビジネスパーソンを中心に支持を集め、第2弾『読書は1冊のノートにまとめなさい』、第3弾『人生は1冊のノートにまとめなさい』と合わせたシリーズは累計50万部を超えるベストセラーとなった。
ジャーナリストの経験を活かし、ウェブや雑誌のライターとして活動するかたわら“ノート本作家”として、メディア出演・講演などでも活躍中。仕事に活かせるノートや文具の活用法、本とより深く付き合うための読書法、人生を充実させるライフログの技術、旅行や行楽を楽しむための旅ノート・散歩ノートの技術など、活動の幅は広い。趣味は古墳めぐりと自然観察。ついでに写真撮影。仕事だけでなく家庭や趣味でもノートを使いこなすライフスタイルは、NHKやTBSでも放送され反響を集めた。
その他の著書は『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』『知的生産ワークアウト』『「処方せん」的読書術』『新書3冊でできる「自分の考え」のつくり方』など多数。
著者エージェント:アップルシード・エージェンシー
http://www.appleseed.co.jp