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【第15回】 2014年1月6日
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 ビジネスの手法や社内業務のあり方にも変化が訪れる。組織内にデジタル化が浸透し、時間サイクルは縮まる。例えば、最高マーケティング責任者であれば、顧客が置かれている状況に応じた対応によって、他社を出し抜くことができる。成功したモバイルアプリを利用したキャンペーンは、数週間もあればその収益を確認することができる。一般的なIT部門が要件の収集にかかる時間も同様だ。

 センサーや無線通信、マイクロプロセッサーといった、デジタル産業経済を構成する基本的なハードウェアのコストは急落している。2009年にはセンサーが9億個、パーソナルデバイスが16億個――つまり大まかに言って25億の“モノ”がインターネット接続されていた。しかし2020年までに、その数は300億個に増加するだろう。実際、2020年までには、100ドル以上の製品はすべてセンサーを内蔵するようになっているはずだ。たとえ消費者がその使い道を知らなくても。

 デジタル化によって、我々の誰もがテクノロジーについての考え方を改めるだろう。また、今後訪れる新たなデジタル・ワールドの中で、我々が組織を成功へと導くための手段も根本的に変わっていくはずだ。数週間にわたり4大陸で開催された「Gartner Symposium/ITxpo」でCIOたちと交わした話を通じて、私はそのことをあらためて実感した。

(翻訳:ダイヤモンド・オンライン IT&ビジネス)
原文:The Digital Industrial Economy by Peter Sondergaard.

日本の読者向け解題

 2013年はデジタル化元年として歴史に残るかもしれない。昨年は、日々のお客様との会話やコンサルティングの中で、デジタル化に向けた決意を感じることが増えた。

 オリンピックやアベノミクスによって、経済がよくなり、投資意欲が増してきたこともあるだろう。しかし、それだけではない。消費者が、明らかに「デジタル化」をしたことが経営者を突き動かしている。「eCommerce以外で買い物はしない」「本棚はすべて電子書籍リーダーに入れた」こういう人が着々と増えている。

 企業は、デジタル化を進めなければならない。消費者が変わる以上、避けては通れない。経営者は真摯に向き合い、決意を持ってデジタル化に挑まなければならない。

 その時、重要な考え方をピーターを示している。デジタル化は単に業務や設備をデジタル変換することではない。「蒸気機関」の発明によって、様々なビジネスが生じたように、「デジタル」によって新しいビジネスを作り上げることを成し遂げねばならない。

 Nexus of Forcesは、より多くの人に、より価値のあるサービスを、より低コストで提供できる技術であると筆者は捉えている。早く、独自のデジタル化を成し遂げることが、次の10年の成長を確たるものにする。

(宮本 認・ガートナー ジャパン コンサルティング部門 シニア・マネージング・パートナー)

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