業務の担当者に、その作業を「中断されないで最も早くできる時間=チャンピオン時間」を申告してもらい、それを基準にするという考え方だ。実際に業務をしている時間をストップウォッチで測ったこともあったが、驚くことに、自己申告の答えは正確だ。日本人の持つ資質の高さとまじめな性格からして、自己申告制で十分に精度が出るのだ。

 それは作業時間の目安を知る方法として有効なだけでなく、職場で最も仕事が速い人の作業時間がわかることで、ほかの従業員にも良い影響を及ぼす。そういった利点をドラッカー博士は的確に見抜いてくれた。

 ドラッカー博士に背中を押され、私はなお一層、ホワイトカラー業務の改善に力を注ぐようになった。


次回「業務改善は習慣化できる」は、4月28日(月)配信予定です。

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