Q.ソニーが2014年度の決算見通しを大幅に下方修正しました。スマートフォン事業の停滞が原因のようで、「いっそエレキ(電機)関連部門そのものを捨てた方が良いのでは」といった声すら聞かれます。堀江さんはソニー復活の鍵は何だと思いますか。

ウェアラブル端末に資源集中なんて方法も

A.「復活」の定義にもよると思います。例えば、アップル社がiPodを出すタイミングで、ソニーも同様のプロダクトを出し、音楽配信業界で存在感を示していれば、その後アップル社がiPhoneを出したような流れを作ることができたかもしれません。

 しかし、ソニーは以前の経営陣がヒットさせたウォークマンのブランドも捨てることができず、またグループ会社のソニー・ミュージックエンタテインメントに配慮して、面倒くさい著作権管理システムを組み込んだフォーマットでしか音楽を配信しませんでした。 そのあたりが、ゆるいMP3を扱えるようにしたiPodとは大きな違いです。グループ内にコンテンツホルダーを持つことがむしろ重荷になってきているのです。

 そういう意味でソニー・ミュージックや映画配信のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントなどのコンテンツ系会社や、金融会社であるソニー生命やソニー損保、ソニー銀行などと、エレキ分野をさらに切り離したり、パソコン事業やテレビ事業を売却して身軽になり、スマートフォンやウェアラブル端末に経営資源を集中するなんてのもひとつの選択肢になりますね。

 あるいはエレキを捨ててコンテンツや金融分野に特化するのもありだと思います。いずれにせよ、意思決定系統がもっとシンプルになるべきです。