なぜフランスは効率がいいのか?

 フランスの労働生産性が劇的に向上した理由は簡単です。一言でいうと、「少なく働き多くを得る社会」へシフトしたからです(得たものには、長期バカンス、カップルや赤ちゃん誕生の機会も含む)。つまり、こういうことです。前述の「時間あたりの労働生産性」は、GDP(分子)が増え、全就業者の年間労働時間の合計(分母)が減ると伸びます。ちなみに、分母の全就業者の年間労働時間の合計は、就業者一人あたりの平均年間労働時間×就業者数です。

 図2が示すように、フランスでは、分子のGDPが、1970年から43年に間に、2.3倍に膨らんでいます。他方、同じ期間の分母はどうでしょう。就業者数は25%増えたものの、図3が示すように、就業者一人あたり平均年間実労働時間が、2,007時間から1,489時間へと26 %も減っています(1950年を起点とすると35%減少)。つまり、極端に少なく働くようになったので、分母が大きく減り、時間当たりの労働生産性が高まったのです。尚、フランスと並び高い時間あたりの労働生産性を誇るドイツも、基本的にはこれと同じ構図です。

◆図2:実質GDPの推移(単位:百万ドル、購買力平価ベース)

「もっと働かない日本」のすすめ出所:OECD Stat

◆図3:就業者一人あたり平均年間実労働時間

「もっと働かない日本」のすすめ