2006年の健康保険法改正によって定められた新しい健康診断、特定健康診査がこの4月1日からスタートしました。

 通称メタボ健診と呼ばれるとおり、この健診は糖尿病や動脈硬化など生活習慣病の引き金となるメタボリック症候群の予防・改善を目的としたもの。当然、対象もそのリスクが高まる中高年(40~74歳)に絞られています。

 また、健康保険に加入している会社員の場合、従来の健診は本人のみが対象でしたが、メタボ健診ではその扶養家族も含まれる点も特徴の一つです。

 働き盛りのサラリーマンにとっては身近で切実な問題。改めてメタボ健診の要点を紹介しておきましょう。

 健診は3ステップで構成されています。ステップ1では腹囲とBMIで内臓脂肪のリスクを判定。ステップ2では腹囲に問題はないがBMIが基準値以上の人を対象に血糖や脂質、血圧などをチェック。また医師が必要と認めた場合には心電図や眼底検査などを行うこともあります。

 次にステップ3ですが、ここがメタボ健診の最大のポイントといえるでしょう。ステップ1と2で要注意と判定された人は改善のための保健指導が医師や保健士、管理栄養士らによって行われるのです。

 指導は軽度の人を対象にした動機づけ支援と重い人を対象にした積極支援とに分かれています。前者は面接(基本的に1回)によって食事や運動など改善のための生活行動計画を提示されます。後者は同様の生活行動計画を本人が実践できているかを指導者が電話や面談でチェックやアドバイスをしながら長期(3ヵ月以上)にわたって継続的に指導します。

 健康診断で何か問題が出ても、後は受診者本人任せ。その本人も具体的にどのような対策を採るべきかが分からないまま、結局は放りっぱなしで健診の意味も雲散霧消……。こんなありがちなパターンも、今回の方法ならかなり解消されそうです。

竹内有三(医療ジャーナリスト)