また、欧米人に比べて日本人に多いのが、顔の骨格による影響です。日本人は、下あごが小さいことに加え、“フラットフェイス”といわれるように顔の奥行きがあまりありません。なかでも、「弥生人型」の骨格の人は、もともと顔が薄くて気道が狭いので、少し太るだけで呼吸しづらくなってしまいます。最近では、ファッションモデルの女性のような小顔の人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いといえるでしょう。一方、「縄文人型」のようなえらのはった人は、骨格のリスクが少ないので、少し太っても気道は確保できます。

 このほか、神経系の病気をもっている人や高齢者は、通常よりも呼吸や睡眠の機能が落ちているので、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。また、子どもや若者でも、扁桃腺が大きかったり、鼻炎で鼻がつまりやすいなど、鼻からのどにかけて何らかの障害がある場合、そのリスクが高まります。

4人に1人が患者&潜在患者
心筋梗塞・脳梗塞リスクは3~4倍も

――日本にはどのくらいの患者がいるのでしょうか。

 国内における患者数は約300万人と推測されていますが、まだ症状が出ていない潜在患者も含めると4人に1人が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるともいわれています。性別では、男性のほうが圧倒的に多く、生活習慣や食生活の乱れなどが大きく影響していると考えられます。一方、女性は、男性よりも生命力が強く、呼吸が止まることに対して防御機能を備えているので、もともと睡眠時無呼吸症候群になりにくいという特性をもっています。

――重症化した場合、心身にどんな悪影響を及ぼすのでしょう。

 睡眠中に何度も呼吸が止まることで、血液中の酸素量が足りなくなり、動脈硬化がすすみやすく心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気の発症リスクが高まります。そのまま治療せずに放置していると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクは健常者の3~4倍にもなり、また患者の15年後の生存率は6割を切るという調査報告もあります。