最近、海南は四半期GDP伸び率が4.7%という惨憺たる成績を出した。「GDP4..7%の海南に若者はさよならを告げるべきだ」と題したネット上のトピックが、海南島を離れるべきかどうかの大論争を巻き起こした。

 5年前に海南は国際的なリゾートアイランドとなることを目標に掲げたが、その壮大な計画は泡と消え、海外からの観光客は3年連続で減少している。

 中国のメディアの報道によれば、若者らも次第に焦りの色を強め、行政に向けた公開状がここ1ヵ月の間に少なくとも3通地元のメディアに掲載された。公開状にはいずれも海南が直面している不運と若者の困惑が書かれている。「若者を引き留めたいならば、海南は前を向いて自己満足の状態をいますぐに捨て、若者に創業する環境を提供すべき」というのが彼らの望んでいることだ。

 若者が焦る背景には、中国全土で空前の創業ブームが巻き起こっていることがある。地方政府にしてみれば、より多くの創業者を惹きつけることが急務であり、このことが地方経済競争の新たなパターンに影響している。

海南に進出した企業への
当局の援助も乏しすぎた

 これまで海南に進出した企業のほとんどは土地と不動産にしか興味を示していなかった。

 海南当局も手早く入手できる金と実績に走り、製造業など地道な育成を必要とする企業には、あまり関心を示さなかった。海南で27年来、競争力のある産業連鎖が1つとしてできない根本的な原因がそこにある、と言われている。

 確かに私もそう感じている。筆者が株主として経営にかかわっているある新華僑系IT企業が2004年海南省に進出した。そのとき、日本を代表する某総合電機メーカーも一緒に出資するという形で海南省に足がかりを作った。そのIT企業の海南子会社の設立式典に私も呼ばれた。そこで地元の記者につかまり、質問された。例の日本の総合電機メーカーはフォーチュン500社に輝く会社なのに、なぜ投資額がそんなに少ないのか、と。