モーセル夫妻は研究を続け、ラットが移動していると何かを見ることになり、見たものうちで、人や物は視覚処理領域(後頭葉と側頭葉)が働いて記憶され、場所や時間は空間処理領域(頭頂葉)で記憶されることを報告。
海馬・嗅内皮質系がナビゲーション(空間移動)に持つ意義を、ラット、コウモリ、サルではっきりさせてきました。このように研究が進み、2014年のノーベル医学・生理学賞の受賞につながったのです。
歩けるようになった赤ちゃんが、公園へ行く計画をして実際に行くとすると、ワーキングメモリーとして記憶してから、実際に歩きだすことになります。
公園に着くまでに、いろんなものを見たり、聞いたりします。
そして、そのことをくりかえしていると、ワーキングメモリーは海馬を使った「長期記憶」になります。
歩いて公園へ行って帰ってくるだけで、大脳皮質のほとんどの領域が使われ、よく働くようになるのです。
歩くことほど、広く脳領域を働かせるものはありません。歩かないでいると、脳の発達は弱いままなので、脳は小さいままになってしまいます。