ちょっとした油断やミスによって、プレーのリズムが悪くなり、取り返しがつかないほど大たたきしてしまった──。そんな経験がありませんか。

 アマチュアのラウンドには、慎重にプレーすれば未然に防げるような、「もったいない」ミスがたくさんあります。その一つが、フェアウェイバンカー(クロスバンカー)や林の中からのアイアンショットです。

 ティーショットがバンカーや林につかまるのは、ある程度、しょうがないこと。そこから確実にリカバリーすれば、パーやボギーで上がることができます。しかし、打球をバンカーの土手に当てて脱出に失敗したり、林の中の木に当てて、さらに状況を悪化させてしまうのが大たたきの始まり。このミスだけは絶対に避けなければいけません。

球の打ち出し角度を自分なりに把握しておけば、余計なトラブルに巻き込まれない。アマチュアの多くはこの点に無頓着なので要注意

 問題は、「球の打ち出し角度」を把握していないことです。何番アイアンではどのくらいの打ち出し角度(高さ)で飛んでいくのか。それがわかっていないために、イメージした高さと実際の打球の高さがずれて、思わぬトラブルに陥ってしまうわけです。

 まずは、練習場などで、クラブ(番手)ごとに球の打ち出し角度がどのように変化するのかをチェックしてみましょう。正確な数値がわからなくても、「7番アイアンだとこのくらいの高さ」という、自分なりの基準をつくっておくことがとても大切です。

 また、実戦ではクラブ選択に注意してください。たとえば、フェアウェイバンカーにつかまり、目の前に数十センチメートルの土手があるとします。「うまく打てば7番アイアンで越えそう」と思ったときは、あえて番手を1つ下げて、8番アイアンを選択するのです。

林の中からのショットも、球の打ち出し角度が最重要ポイント。距離優先でなく、確実に脱出できるクラブを選択したい

 障害物に対してぎりぎりのクラブを持つと、球を上げようとする意識が生まれて、すくい打ちのミスになります。そこで「間違いなく土手を越える」クラブを選べば、しっかりと打ち込んでいけるのです。

 ピンまでの距離を最優先に考えると大きなミスを招きます。優先順位の第1位は、目の前の障害物をクリアすること。それがコースマネジメントの鉄則です。

(取材・文/小山俊正)