一方、学生の側では、早く就職が決まると、勉強したい場合は、安心してより学業に集中できるだろう。就職を早く決められることについて、学生の側に大きなデメリットはない。

 また、はっきり言って、就職先を選ぶ判断力や世間知は、大学の1年生でも、4年生でも大差ない。大学教育は、職業選択の能力を改善する役に立つものではないからだ。就職に関しては、どちらも同じくらい世間知らずであり、働いてみてから身の振り方を考えるしかない。

 さらに、個別の契約方法は工夫する必要があろうが、企業が採用内定後の学生の学費や生活費を負担し、学生は将来一定期間以上その企業に勤める(期間未達の場合は違約金を払う)といった形が可能になれば、経済的に豊かではない家庭の子弟であっても、企業から高い評価を得られる者は大学で勉強することが可能になる。

大学は「飛び級卒業」を可能にせよ
本人にも企業にも社会にもプラスだ

 もう一歩踏み込むなら、大学は、3年、場合によっては2年での単位取得卒業の道を用意するべきではないか。例えば、早く就職が決まって、3年間で単位を取り終えて正式に卒業し、1年早く働くことができるなら、本人にとっても、企業にとっても、社会にとっても、いいことだろう。

 もちろん、短期間で修士課程・博士課程に進み、研究なりビジネスなりに早くから高度な学問的知識を活用する人材がいてもいい。

 かつて、外交官試験の合格者は、大学3年で中退して外務省に就職することが可能で、「外交官中退」は優秀な学生にとって誇らしい道の一つだったが、民間企業にも同様な道があって良かろうし、何よりも、素質にも努力の量にも個人差があるのだから、4年より短い期間での大学卒業(学士資格取得)のコースがあって然るべきだ。

 早く卒業できるなら、就職後の試行錯誤の期間をより長く取ることができるし、起業にチャレンジする時間的な余裕もより大きくなる。

 個人差があるので一概には言えないが、学生の学力の高い大学でも、そうでない大学でも、「4年間」が長すぎて無駄になっている大学生が多いように思う。趣味的な部活・サークル活動、長い夏・春の休暇、ましてアルバイトに長い時間をかけるのは、学業にとって非効率的だ。これは、自分の費用と責任において、大学生以外の身分でも十分できることばかりだ。