声がよく通る人の共通点は、実に単純です。口の開き具合が、人より大きいことが確認できます。今回は、母音を活用した単純なレッスンです。まずは、笑顔から始めてみましょう。効果はさらに高まります。
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口が大きく開いている人の共通点
ボイン、と読んであらぬ期待をしてしまった方はスミマセン。
母音・子音のほうのボインです(笑)。
日本語は、「あ・い・う・え・お」の母音と、それ以外の子音によって五十音ができていますよね。
五十音とはいいますが、声を出した後の口の開き方だけを見ると、子音も「あ・い・う・え・お」の形の5種類しかありません。
たとえば、「い」と声に出したときと、「り」と声に出したときでは、口の形は同じです。
「ま」を声に出す瞬間は唇を閉じていますが、声を出した直後は「あ」と同じ形です。
したがって、五十音のどの音を出すにしても、「あ・い・う・え・お」の母音の口の開きがきちんとできていることが大切になるのです。
口の開きができていないと、一つひとつの音が不明瞭になってしまいます。
母音は発音の基本です。
ゴニョゴニョと何をしゃべっているかよくわからない人の口を見てみましょう。
口がほとんど開いていないのがわかるはずです。
反対に政治家やタレントさんなどで、よく声が通る人の口の形を観察してみてください。例外なく、口が大きく開いているはずです。
口をしっかり大きく開くために、母音を活用します。
口を正しく開けるようになるトレーニング
では、よく通る声になるための母音のトレーニングをしましょう。
「あ・い・う・え・お」ではなく、口の開きが近い順に「い・え・あ・お・う」と3秒かけて声に出し、5セットやります。
(2)その顔のまま、歯と歯の間を軽く開けて「い」。
(3)そこから少し縦に開き「え」。
(4)大きく縦に開き「あ」。
(5)今度はすぼめ気味にして「お」。
(6)しっかりすぼめて「う」。
ニコッと笑うのは、口角が上がり、声が少し高くなる効果があるからです。
トレーニングする際は、鏡を見ながら、自分の口の開き具合をチェックしてみてください。
自分では大きく開いているつもりでも、鏡で見てみると意外と開いていないということがあるからです。
また反対に、開きすぎにも注意しましょう。口を広げすぎると、声が逃げてしまうからです。
しっかりと口を開いて母音が発声できるようになるまで、繰り返しトレーニングしてください。
慣れてきたら、「き・け・か・こ・く」「し・せ・さ・そ・す」と、「あ」から「な」行までの5行分をやりましょう。余裕があれば、全部をやってみるのもいいですね。