「失敗を恐れすぎる」点についてもインターネットの弊害が一部あると言えます。そもそもこれまで、保護者などの方針で失敗しないように生きてきた若者は、“失敗=悪いこと”と捉えてしまいがちです。

 良い意味でとらえれば、親の作った枠を超えない従順性があると言えますが、逆にいえば枠に縛られ行動が制限されてしまっています。就職活動や実際の職場でコミュニケーションが取れなかったり、自分の考えを伝えることができないのは、社会や企業が“自分の枠の外”にあるからではないでしょうか。

 仕事の進め方には個人差があります。上司1人とっても、面と向かって怒るタイプや個別に注意するタイプ、陰で言うタイプなどスタンスは様々です。社風もありますしA社で正解である方法がB社では不正解というケースも多々あります。職場は、とてもインターネット上で調べるだけでは解決できない問題に溢れているのです。

「失敗」を“挑戦”と思えれば成長できる

 そうした若者が、自分の枠を超えていくにはどうしたらよいのでしょうか。まず、自分に何が足りていないか、何をするべきなのかという「課題発見力」を磨き続けなければなりません。そして、例えばAとZという一見遠い存在に見えるものを結びつけて価値を作り出す「創造力」も必要不可欠です。

 ともあれ、失敗=経験と捉えないと、いつまでも成功体験も失敗体験も増えず、成長の機会を失うことにつながります。

 大学で学生がプレゼンテーションや研究発表をする際に、私が例えば「どのような表現を使ってもいいし、どんな音楽や効果音も使ってもいいよ」と枠に捉われないように促してみると、彼らはいつもイキイキと作業にあたれています。結果、既存のテンプレートでの発表よりも遥かに感動するようなプレゼンテーションになることがほとんどです。

 失敗を挑戦と捉えるように意識を変化させると、「課題発見力」や「創造力」は育まれ、結果的に主体性や計画力、チームワークにまで良い影響をもたらします。失敗を恐れる意識を超えた先で社会人基礎力は発揮され、明日の日本を作る礎になるのではないでしょうか。大人である私たちもまた失敗を恐れず、若者の見本となるべく常に進んでいきたいものです。

(キャリアプロデューサー 櫻井樹吏)