「算数脳」の人はこう解こうとする

 では、筆者のいう「算数脳」の人は、このような問題に対し、どうアプローチするかというと……。

 「ある距離」を「1」とおきます。

 Aさんは1分で(1/2)進み、Bさんは1分で(1/3)進むことになります。
 よって、二人は1分ごとに

 (1/2)—(1/3)=(1/6) ずつ距離を縮める

 Bさんは、10分先に出発していて、その距離は

 (1/3)×10=(10/3)

 よって、

 (10/3)÷(1/6)=20

 Aさんは、20分後にBさんに追いつく

「数学脳」と「算数脳」では、ここが違う!

 いかがでしたでしょうか、その違いがおわかりになりましたか。極めてシンプルに表現すれば、こういう違いがあるのです。

数学脳 : わからないものをとにかく「X」とおく
 算数脳 : わからないものは「具体的な数字」で仮におく


 そして、ここからが大切なのですが、研修中のパフォーマンスもよく、現場で成果も出せている人は、ほぼ間違いなく「算数脳」です。

 これは、筆者が「ビジネス数学の専門家」として4年間活動し、ビジネスパーソンの人材育成の現場で見つけた紛れもない事実です。