時間をかける読書は「フリー枠」の日に
膨大なビジネス書を読むことが日々の仕事である僕も、「子どものころみたいに、物語の世界にどっぷり入り込みたいなあ」という気分になることがよくあります。もともとフィクションものが好きだということもあって、小説をまったく読まない日が続くと、ちょっと心がすり減ってくる。そこで、あえてビジネス書と並行して小説を読みます。そうすることで、自分の中のバランスを保っているわけです。
ひと口に小説といっても多種多様ですよね。僕もジャンルを問わずいろいろな本を読んできましたが、好きなのは中間小説(純文学と大衆小説の中間に位置する文芸作品)もしくは大衆小説のジャンルです。
中でも、小難しい理屈がなくて、読み終えたときにスッキリする勧善懲悪のストーリーが魅力の、源氏鶏太という昭和の流行作家がいちばん好きです。かつてアメリカの人気作家ディーン・R・クーンツが『ベストセラー小説の書き方』の中で「主人公をとことん追いつめろ。そしてラストはハッピーエンド。でないと読者は満足できない」という趣旨のことを書いていましたが、まさにポイントはここ。山がいくつもあってハラハラさせるものの、最後には丸く収まるという安心感が、読む人を魅了するのです。
もちろん日本の純文学だとか海外文学、SFやミステリー、時代小説、ライトノベル、旅行記、エッセイ、児童書などなど、好みは人それぞれです。
「小説はあんまり詳しくなくて……」という人は、発行部数の多いベストセラー小説などから入ってみるのもいいと思います。アマゾンのマーケットプレイスやブックオフでも捨て値で買えますし、ベストセラーになったということは、純粋に内容が「おもしろい」ということでもあります。
ストーリー系のコンテンツを1週間のうちのフリー枠の日に読んだり、6冊の本と並行して読み進めたりしながら、読書生活を楽しむのもいいと思います。