なぜ、あの人は忙しいのに時間をつくれるのか?仕事に家庭に多忙を極める40代が上手に時間を使うためのコツとは?1万人の失敗談からわかった人生の分かれ道となる40代の時間の使い方を公開。成功者の時間術とはどのようなものか?シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。
50代以上の人に後悔を尋ねた結果、男性、女性を問わず常に上位に入るのが、この「時間ができたら……」が永遠にこないということです。
40代というのは、仕事でも家庭でも、自分以外の誰かに振り回される年代です。会社では部下や上司、関係部門、クライアント、家庭では配偶者や子ども、時には自分の親や義理親に合わせることも多くなります。自分でコントロールできる時間が最少になる10年といっても過言ではありません。
街角で久しぶりに出くわした知人に「今度、食事でも」と言って別れたその「今度」が永遠に来ないように、「時間ができたらやろう」の「時間」も、決して自然に生まれることはないのです。
忙しい40代でも時間を上手に使いこなしている人には、ある共通点があります。それは、「時間を捻出しよう」という発想ではなく、一日の時間割を「目的に合わせてつくり変えている」ことです。つまり、時間を増やそうとするのではなく、自分の持ち時間の中で、やるべきことに合わせて時間の配分を変えているのです。
ここに、一般的な時間の使い方に対する誤解があることがわかります。多くの人は時間をつくり出そうとするとき、いかに速く作業を終えて自由になる時間を増やすかという考えを持ちがちです。例えば今日は夜、どこかに立ち寄って帰ろうと思ったとき、いかにスピーディーに仕事をこなして、夕方以降の時間を増やそうとする人が多いのではないでしょうか。
しかし、想定外の仕事が生まれたり、思った通りに進まなかったら、その予定はすぐに崩れてしまいます。今の時間割を切り詰めて新しい時間を捻出しようとすることは、多くの場合うまくいきません。仕事に家庭に多くのやるべきことを抱える40代にとって、効率化によって生まれるわずかな時間では、増え続けるやるべきことを、常にカバーできない宿命にあるのです。
誰にとっても平等に一日は24時間ですが、多くの人はそれを25時間や26時間に増やそうと努力しています。やるべきことはすでに山積みなのに、それを切り詰めて、その上にどう時間を上乗せするかを考えています。でも、やるべきことのリストを書き出していったら、軽く24時間をオーバーしているでしょう。
時間を上手にコントロールできている人は、決して自由になる時間が「増えている」わけではありません。現実的に、時間の足りなさは誰もが痛感しています。限りある時間という資源を効果的に「振り分けて」いるのに過ぎないのです。自分の現実的な持ち時間や働き方、生活を見据えて、その時間割自体を刷新していくことで、その人が理想とする人生に最適化する時間割をつくっています。
ただし持ち時間は有限ですから、配分を変えたら、別の何かの時間を減らす必要が出てきます。そこは常にトレードオフの関係です。