あなたはヨガと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか?「女性がやるもの?」「インド人がやってるもの?」「体がやわらかい人がやるもの?」そう思うかもしれないが、そうではない。
ヨガとは4000年以上前に人類が発明した、心身を鍛える最強のエクササイズなのである。
ダイヤモンド社より5月26日に発売された『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』よりその一部を抜粋してお届けする。
ヨガには幸せを呼び寄せる力がある
『ヨーガ・スートラ』の中に「不盗に徹した者のところには、あらゆる富が集まる」という言葉がある。
これは私がヨガスタジオを始める前から感じていたことでもある。
「不盗」とは「物を盗まない」という単純な話ではない。ヨガでは空気を吸うことでさえも自然界にあるものを盗んでいる、という考えなのだ。だからといって、「息をするな」と禁じているわけではない。一息一息を敬虔に受け取り、他者に奉仕するために使うのであれば、それは盗んでいることにはならないという。
つまり、必要以上のものを得ようとする人や、富を自分だけのために使う人は、かえってお金が逃げていくということだろう。
私のまわりのお金持ちの方は、お金を過剰に使うことはない。
「ご飯は1日に10食も20食も食べられないでしょ?ベッドも普通サイズで十分だし。何にそんなにお金を使うの?」という考えの方が多いのだ。
かといって、お金を貯めこんでいるのではなく、世の中のためになることにはお金をポンと出している。
リーマンショックが起きるまでは、日本では若くして起業家となり、六本木ヒルズに住んで高級車を乗り回し、毎晩豪遊する人たちに憧れる風潮があった。私はそのころに勤めていたジムでパーソナルトレーナーとしてそんな起業家たちのトレーニングを指導していた。
でも、「なんか違うな」と違和感を抱いていたのだ。
毎晩遅くまで遊びまわって不規則な生活を送り、毎日のように高級レストランで贅沢三昧。そんな彼らが時折、帳尻合わせのようにジムに来て汗をかいている。こんなに非効率なことはないだろう。
そんななかリーマンショックが起き、起業家たちの多くが転落していった。もしかしてそれは不盗に徹しなかったからかもしれない、とヨガを知ってから思うのだ。そういう人たちの元に一時的に富は集まってきても、長続きしない。
「過剰」ではなく「シンプル」であること。「外面」より「内面」を鍛えること。それが本当の意味での豊かさなのだ。
いま一流の人ほどヨガにハマっているのは、自然な流れなのかもしれない。ヨガをしているうちに、心も体もシンプルになっていく。そして、「足るを知る」人のもとに富が集中する。ヨガは、幸せを呼び寄せる力があるのだ。