ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しているということです!

嫌いな人がいる原因は、
「コミュニケーションの総量不足


 都道府県労働局などへの「パワハラ(パワーハラスメント)」に関する相談件数は、年々増加しているそうです。

 2004年度には1万4665件だった相談件数が、2014年度には6万2191件に増加しています。

 じつに10年で、4万7526件の増加です。

 また、厚生労働省の報告書は、「パワーハラスメントが発生している職場」の特徴として、
「『上司と部下のコミュニケーションが少ない職場』が51.1%ともっとも多い」
と結論づけています(※1)。

 また、あるアメリカの大学の研究によると、
「人は、コミュニケーションの回数が多いほど、相手に対する信頼が大きくなる」
という研究結果を発表しています。

 たとえ相手が「苦手な人」でも、コミュニケーションの回数を増やす努力をすれば、相手を苦手と思う気持ちが減るというのです。

 パワハラに関する調査結果も、アメリカの大学での研究結果も、職場における人間関係のトラブルの多くが、「コミュニケーションの総量不足」に起因していることを明らかにしています。

 では、どうすればコミュニケーションの総量を増やすことができるでしょうか。大手広告代理店のI局次長は、
「『2つの顔』を使い分けながら部下とコミュニケーションを取っている」
と教えてくださいました。「2つの顔」とは、

「ビジネスの顔」
「プライベートの顔」

です。

「ビジネスの顔」を持って「上司と部下の会話」をしていれば、業務(仕事)を行うことはできます。

 ですが、それだけだとコミュニケーションの総量が増えず、会話の幅も広がらないので、事務的になり、心の距離が近づきません。

I局次長がたくさんの社員から慕われ、信頼されているのは、「仕事以外」の場面でも雑談を持ちかけ、接触回数を増やしているからです。

 雑談をするときは、「ビジネスの顔」を封印して、「プライベートの顔」で接しています。

 I局次長が仕事以外の話、たとえば、自分の趣味や家庭の様子を自己開示すれば、部下は「Iさんにも人間的な側面がある」ことが伝わって、親近感を抱いてくれます。