米国の中間選挙は、上院では共和党が過半数を維持したものの、下院では民主党が過半数を奪還し、「ねじれ」議会となった。
だが、「ねじれ」以上に問題なのは、米国の政治が、「共和党vs民主党」あるいは「右派(保守)vs左派(リベラル)」といった二元論では理解できなくなったということだ。
もちろん、「右派vs左派」という対立軸は、かつてほどではないとはいえ、依然として強く残ってはいる。
しかし、近年、とりわけ2008年の世界金融危機以降、「もう1つの対立軸」が鮮明に現われ、米国やヨーロッパの民主国家の政治を変え、国民を分断するようになった。
その対立軸とは、「親グローバル化vs反グローバル化」というものである。
グローバル化が生んだ
「4元構造」の対立軸
グローバル化は、先進諸国の労働者の賃金上昇の抑圧、雇用の喪失、所得格差の拡大をもたらした。
しかし、先進諸国のエリート層は、グローバル化は豊かさをもたらすものだとして、その負の側面を是正しようとはしてこなかった。これに対して、グローバル化によって不利益を被り、疎外された中低所得者層は、グローバル化に抵抗するようになった。