数多くのテレビ出演や講演、ベストセラー作家としての顔を持つ明治大学教授の齋藤孝先生と、
『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『輝く! 日本レコード大賞』など
数々の人気番組の司会者として知られるTBSアナウンサーの安住紳一郎さん。

TBS『新・情報7days ニュースキャスター』で司会者とコメンテーターとして共演しているふたりは、かつて明治大学で先生と生徒の関係だった。
中学校と高校の国語科教員免許を持つ安住アナは当時、明大の教職課程で齋藤孝先生の授業を受けていた。
そんな師弟関係にあり、日本屈指の話し手であるふたりが、『話すチカラ』について縦横無尽に語り尽くす。

“国語科オタク”を自認する安住アナの日本語へのディープなこだわりは必読。
齋藤孝ゼミの現役明大生を前に、安住アナが熱弁をふるった白熱教室の内容も盛り込む。

学生からビジネスパーソン、主婦まで、日ごろの雑談からスピーチ、プレゼンまで楽しくなる『話すチカラ』が身につく!

齋藤孝明治大学教授が語る<br />話し上手な人の<br />「最後の3秒」とは?Photo: Adobe Stock

15秒以内で
短く話す

私は、大学の授業で、1人に15秒でコメントしてもらう機会を頻繁に設けています。

4人1組で15秒ずつ話してもらうと、1グループ1分であっという間に発表が終わります。

私が見ていると、アナウンサーも俳優さんも、最後の3秒のまとめ方が上手です。

綺麗に着地を決める体操選手のように、パシッと決まった感があるのです。

以前、安住君と一緒に出演している情報番組『新・情報7daysニュースキャスター』(以下、ニュースキャスター)の生放送中、最後の3秒で“死ぬポーズ”をとったことがあります。

私はヨガの経験が長いのですが、ヨガの基本に全身を脱力させた「死体のポーズ」というものがあります。

仰向けに大の字になって寝て、死体になりきってリラックスすると、いろんなプレッシャーから逃れられるという精神的効用があります。

そんな経験談を話していたら、安住君が番組の終わりで突然、「じゃあ、みんなで一緒に死体のポーズをとって終わりましょう」と提案してきたのです。

その時点で放送の残り時間は数秒。
ビートたけしさんをはじめとする出演者一同が、反射的に「やーっ」と死体のポーズをとりました。

さすがというべきか、たけしさんは堂に入った“死に方”をしており、ユニークなエンディングの演出となりました。

安住君を見ていると、彼は番組のラスト5秒で面白いことを1つポンと発言して締める能力に抜きん出ています。

横で見ていてほれぼれするくらいです。
ああいう能力を持っている人は本当に稀有だと思います。

彼のように時間の使い方を自在に管理できるようになると面白いですね。

まとめ
 話は15秒単位で組み立てるのが基本
 30秒であれば「15秒×2」の2分割
 45秒であれば「序破急」の3分割
 60秒であれば「起承転結」の4分割