入試問題のすべてを公開する取り組み
大人にはやさしかったかもしれない。
問7の答え
10~11世紀の政治 人物 / イ 地位 / 摂政・関白
院政 人物 / エ 地位 / 上皇
学校が配っている「2020年度入試対策資料集」記載の問7の解説にこうある。
10~11世紀は、摂関政治の時期です。この時期には、系図の中の「イ 藤原氏」が娘を天皇の后として、生まれた皇子を天皇の地位につけることで天皇の祖父となり、幼い天皇の摂政となったり、成人後の関白となることで権力を握りました。
院政期は、系図の中の「エ 天皇の父」が上皇となり、幼い天皇を後見することで実権を握りました。40年以上院政を続けた白河上皇以来、承久の乱の時の後鳥羽上皇など、権力を握った上皇が数多くいます。法皇は、上皇が出家した後の呼び方です。これも正解としました。
問11の解答例
「当時、日中戦争が長期化する中で、鉄などが不足した。戦争を継続する資源を確保するために、鉄や銅などの金属類が必要となったから」など。
ちなみに、問7の配点は100点満点で4点、問11は3点である。50分の間にてきぱき解答しないと、とても間に合わない分量が出題されている。入試問題は3年分公開されているので、詳しくはホームページをご覧いただきたい。
入試問題を公開している学校は多くあるが、鷗友学園のように解答例と配点、得点率、解説と講評、採点例まで入試のすべてをつまびらかにしている例は聞いたことがない。元々は間違いがないよう作問作業の過程で確認用に作成したものがベースになっているという。この解説が実にていねいである。教える側の先生も間違えるかもしれないという前提のもとで、すべてを明らかにして未来の生徒に臨む姿勢は、教員と生徒が同じ地平に立つという意味で、学習者本位の表れといっていい。
この122ページある冊子「2020年度入試対策資料集」は、学校説明会に参加するともらうことができる。他校が第一志望であっても、ぜひ手に取って、目を通しておきたい力作だ。