入学定員は3年後から減少!?
医学部も現役志向に変わるか
厚生労働省は医師の需給バランス推計を18年に公表している。28年頃に医師は総数約35万人となり、需要と供給が均衡し、それ以降は医師が過剰になると予測する。
医学部入学定員についても、21年までは現状維持だが、22年以降は定員減の方向で検討が進むことになりそうなのだ。
21年からは大学入学共通テストも始まり、入試制度自体も変わる。文系を中心に20年は現役合格を目指してランクを下げる「安全受験」の動きが続くと予想されるが、医学部ではどうなるのか。
私立だけ見ても、現役合格率には大きな差がある。慶應義塾大のように付属校からの内部進学が多い学校は3分の2が現役合格となる。指定校推薦枠なども充実している学校は5割前後となる。
一方で、現役合格者が1割台という学校も10校以上ある。
既卒の数え方も、1浪、2浪、3浪まで明らかになっているのだが、3浪の合格者が3割近くを占める大学などは、文字通り多浪生にとって最後の望みの綱となっている。ここにはおカネのかかる大学が名前を連ねているので、どうしても跡を継がせたい開業医以外は近寄りがたいかもしれないが。
予備校関係者に聞くと、昔のように多浪して、何が何でも医学部という受験生は少数派だという。医学部受験に挑むほどの能力があるなら、他の分野にも生かせるということなのだろうか。
先述したが、東海大医学部は付属校からの内部進学が多い。17年実績は23人で、慶應義塾に次ぐ。現役合格者は2割強と、一般受験者には厳しいかもしれない。