どのような教育理念で授業を行っていくのか、それは入試のスタイルにも反映することになる(私学中等教育セミナー「今、オンライン入試を考える」より)

「オンライン入試」導入の可能性

 全国的に緊急事態宣言が解除されて、分散登校の夏を迎えようとしている。都立高校では夏休みは例年の3分の1以下、冬休みも9日間程度と大幅に短縮される予定となっている。塾の夏期講習などはどうなるのか、大学入試はどうなるのか、文部科学省が入試日程を条件付きであっても具体的に示さないため、受験生の不安は高まる一方となっている。

 2021年中学入試も、一部の学校では入試日を発表し始めている。現時点では、東京・神奈川は2月1日よりと例年通りの設定となっているが、新型コロナウイルス感染の第2波、第3波がいつ襲ってくるのかによって、変更の可能性はある。

 2020年の首都圏中学入試は、10年前のリーマンショック後の落ち込みからすっかり回復して、厳しい受験となった。2021年もその勢いが続くのではないかと見られていたが、経済状況の悪化も見込まれており、特に中堅以下の私立中高一貫校では生徒集めに苦労するのではないか、という点については以前お伝えした通りだ。

 半年後に迫った帰国生入試を機に「オンライン入試」導入の可能性を模索する動きが出ていたが、ここに来て、さらに一歩前進した。

 5月末に、東京と神奈川の中堅中高一貫校の教職員が「オンライン入試」導入の可能性を語り合うリモートライブセミナーが行われた。登壇したのは聖ドミニコ学園、かえつ有明、東京女子学園、新渡戸文化、横浜創英の5校である。いずれも学校改革に熱心で、2021年入試に危機感を抱いている学校でもある。ここで交わされた議論から、オンライン入試の実現に向けた課題を見てみよう。