減少傾向が目立つ男子の上位校
前回、「大波乱の東京・神奈川」と書いた。前編では難関校の様子を見たが、上位校から先はどのような状況なのか。ここからは、主な入試について一覧表と共に見ていきたい。
5つの表には、1回目の入試について、最新の出願状況から見た人気動向を7段階で記した。前年比出願者の勢いが1割以内の増減に収まりそうな入試は「前年並」「微増」「微減」である。「大幅増」は5割以上の増加、「大幅減」は半減以上の勢いにある。これからの出願に際しての目安としていただきたい。とはいえ、最近では入試当日の朝まで申し込み可能な学校もある。これからの数日間にも、出願倍率は大きく動くことになりそうだ。
次ページの表1にあるCランク(偏差値59~55)とDランク(偏差値54~50)には上位校と言われる学校が揃っている。まずは男子受験生から見ていこう。表1を見ると、男子校が過半なCランクでは「減少」が、共学校が圧倒的なDランクでは「増加」が目立つ。男子校では、ここ数年停滞気味だったCランクの芝が復調、学習院や明治大学付属中野も増加基調にある。Dランクでは高輪が大きく伸ばしそうだ。
上位校でも出願数が減少気味な様子を見ると、新型コロナ禍で学力に自信が持てない受験生が多いことがうかがえる。受験校の数を絞る傾向もそれに拍車をかけている。実倍率が3倍、4倍の学校は敬遠気味というのは難関校と同様の傾向だが、例外はある。法政大学は12月模試の志願者状況から見た予想倍率は4.0倍とかなりの人気だが、そこまでの伸びはなさそうだ。3日2回、5日3回も勢いがあり、出願者数を減らしている付属校が多い中、高倍率を維持している。
Dランクの共学校では、予想倍率3.5倍の山手学院が人気で、さらに高倍率になりそうだ。また、予想では倍率を下げると見られた開智日本橋学園は増加に転じている。一般に、共学化した学校は出願者数を伸ばすのが常であり、2021年から中学が共学化する東京湾岸エリアの豊洲にある芝浦工業大学附属も女子の分を上積みしている。表にはないが、三田国際学園も微増基調にある。