出願者増の女子校が目立つ中堅校
今度は女子のE・Fランクを見ていこう。次ページの表4にあるように、このボリュームゾーンには女子校が多い。Eランクには減少気味の勢いの入試も多いのだが、Fランクでは総じて好調な伸びを示している。
予想倍率の増加が見込まれる入試では、女子美術大学付属が実倍率2.5倍から3倍に乗せるかが注目点となる。昭和女子大学附属昭和は本科が大幅増予想だったが、現状では前年並みの勢いだ。すでに前年並みを確保したGAコースのように、系列大学で実績を出しているグローバル志向に人気が集まっている。今年から募集を開始したスーパーサイエンスへの出願状況も注目される。
大学付属校の中では実倍率2.5倍で比較的入りやすい明治学院はここ数年人気が続く。1日午後が1回目の入試で、ライバルとなる学校が少ないこともあってか、出願動向は増加基調にある。
実倍率2.4倍が予想倍率では3.7倍と大幅にアップしそうな山脇学園。今年はどの入試も大きく出願者数を伸ばしそうで、このランクでは最も注目される学校である。1日と2日には午後入試も行っており、併願校としても人気化しそうである。4日のCの5.8倍を除けば、実倍率はおおむね2倍前後で受けやすいことも背景にはある。
同じような立ち位置でも、強力なライバルに押されて苦しむ学校がある。光塩女子学院がまさにその例で、1回総合型は実倍率1.4倍がさらに緩和傾向で、今年の入試の穴場といえる。2日2回も4日3回も実倍率は1.4倍、1.8倍で現状の勢いは前年並みということもあり、併願校としても狙い目である。
予想倍率2.4倍の晃華学園、実倍率1.2倍ととても入りやすい東京電機大学と大妻多摩など多摩の学校が大きく増やす状況にあるのは、安全志向のたまものなのかもしれない。学校改革が成功して人気化した武蔵野大学は後半の出願者数の伸びに期待だ。
神奈川では、ここ数年人気な清泉女学院が緩和予想にもかかわらず前年並みを維持しているのは実倍率2.0倍と低めだからだろうか。ここは午後入試を1日・2日・3日と連日設けており、併願校としてのポジションを狙っている。東京の恵泉女学園と似た需要があるのかもしれないが、実倍率も低めでいずれも増加基調にある。
他に神奈川では、現時点では倍増の勢いを見せている自修館、増加基調のカリタス女子、桐光学園、神奈川学園などが目に付く。1日午後の算数1科が話題となった湘南白百合学園は出願者が減少しそうで、実倍率2.1倍の算数1科、同1.9倍の2日4科ともども緩和しそうな情勢である。国際に力を注いできた横浜女学院も、新型コロナ禍に直撃された今年は全体的に減少傾向で、穴場校といえる。面倒見のいい学校であり、1倍台前半の実倍率の入試も多く、安全校として併願するにもいい。