東京男子御三家+駒場東邦の傾向

 桜蔭の場合は、問題の難度が一定していないのが特徴で、年ごとに平均点の上下が激しい。問題用紙は例年2枚。解答用紙を見ると分かるように、計算するスペースがあまりないので、問題文の横に計算式などを書き込む忙しい入試になってしまいます。

 今年の入試問題、ぱっと見て半分取れませんと判断します。学校は合格者の平均点や最低点を公表していませんが、桜蔭コースの受講生や入学後も成績上位の生徒に過去問を解いてもらうことで推測できます。平均で7割が必要だぞという年もあれば、半分を切って3割くらいと推定される年もあります。桜蔭の問題は難しくて手が出ないと嘆くよりも、自分ができない問題はライバルもできないくらいに思った方がいいでしょう。

 逆に言えば、確実に点を取れる問題は落としてはいけない。時間内にすべてを解くのは難しいので、問題を慎重に選択して、後回しにするものを決め、解くべき問題を解いていきましょう。

 今度は男子の難関校について見ていきましょう。今回は御三家に加えて駒場東邦の問題も取り上げます。駒場東邦は、算数と数学の境目のような問題がよく出てきます。今年の問題では、最後に大変な問題が出てきたぞと思いました。それについては後ほど解いてみます。

 開成は例年大問4つですが、今年は大問3つで、大問1には4つの小問がありました。大問3は操作しながら扱うという考え方の問題です。大問2は開成特有の立体の問題です。大問1(3)の図形問題は以前、女子学院でも同様のものが出ていました。

 武蔵は、例年の相似形の易しい問題ではなくて、ちょっと苦労させられる問題を大問3で出してきました。これが分かれば、まず合格できます。この学校は相似形を探させる問題の名人のようなところがありますね。

 今年の麻布はちょっと難しい。麻布も問題用紙が3枚あります。大問1が計算問題の年とそうでない年がありますが、例年大問1の問題は、受験生にまず落ち着いてほしいなという感じで出されています。大問2は速さの問題で、難易度は年によって異なりますが、その特徴は逆比を使えということにあります。速さの比と時間の比を逆比にしなさいということに気づくとほとんど解けるパターンの問題が多い。

 今年の注目は後ろの方で、3枚目の大問4、5、6と、規則性やカードの問題もよく出ますけれども、ハードな問題が来たと思います。具体的に書き出して、作業をすることが非常に大事です。

 麻布の場合、大問6の(3)はだいたい解けないと思います。合格最低点が55%くらいで、合格の最高点も200点満点で150点くらいです。算数で満点が出ることはほとんどないようです。